大仙の若葉

たのしいアフィブログ

浅井京介という漢について

 

 長年の沈黙を破り、ラノベを書いたり、漫画の原作を務めたりと、精力的に活動しているるーすぼーい。氏の最高傑作(とぼくは思っている)であるエロゲ、「G線上の魔王」、そして、主人公である浅井京介の話をしましょう。

 G線上の魔王はエロゲを嗜んでいる人であれば、高確率でプレイしているであろうエロゲ。ゆえに、本作を好きなエロゲに挙げると、いとも簡単ににわか認定をもらえます。ぼくはそんなG線が大好きです。

G線上の魔王 ビジュアルファンブック (DNAメディアブックス)

G線上の魔王 ビジュアルファンブック (DNAメディアブックス)

 

 

 

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 「魔王」を名乗る犯罪者とヒロインが対決する、サスペンスと恋愛が絡んだ、数あるエロゲのなかでもっともエンターテインメントなエロゲです。誘拐に立てこもりにテロといったハリウッドテイストを盛り込むことにより確保した娯楽性には、最後までユーザーを飽きさせない製作者の心意気が感じられます。

 エロゲにおいて、一枚目のCGは地味に重要です。どういった一枚目が用いられるかで、物語への没入感がだいぶ違ってきます。そういった意味では、G線は満点です。

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 流麗かと思わせておいて一気に荘厳になるBGM。ヒロインと魔王のすれ違い。訪れる対決を予感させます。二人の胸に秘めたる思いが、パワー溢れる文章にて綴られます。つかみはバッチリです。画面いっぱいになるタイプのメッセージウィンドウにて綴られる三人称の文章。るーすぼーいは無駄な説明を通常省いてテンポよく話をすすめるためか、こういった場面では、ここぞとばかりに書き込みます。車輪の国における、お姉ちゃんの演説する場面や、ラストに主人公がクライミングする場面など。こういったメリハリが、物語の盛り上がりに一役買ってくれています。

 

  • 浅井京介さんのついて

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 エロゲの購入基準の八割が、主人公が気に食わないかどうかのぼくが、もっともかっこいいと思った主人公。それが、浅井京介さんです。ヤクザである養父の仕事を手伝うかたわら学園に通ったり精神科に通いつめたりと、なかなかに詰め込んだ主人公です。主人公がCGに登場する頻度がなかなかに高い本作ですが、前髪で目が隠れているステレオタイプな見た目の浅井さんです。るーすぼーいの指示とのことです。ですが、ゆえに後の最高に熱い顔出し場面へと繋がるのです。スーツがやけにパツンパツンしているため、どことなくふくよかな体型に見えます。

 序盤の浅井さんは、割といけ好かないやつです。父親がだまくらかされて借金をこさえて、借金の原因の人物を殺害。群がるマスコミ、態度を変える同級生たち。そんなこんなで母親と共に寒風吹きすさぶ片田舎へと、といった過去ゆえに、軽い人間不信です。ヒロインたちに対してもあまり心を開きません。メインヒロインである「宇佐美ハル」、割とうさんくさい女ですが、彼女に対し露骨に嫌悪感を表すというのも、エロゲ主人公としては珍しいでしょう。

 ヒロインのひとりの弟が、魔王に誘拐されるのですが、そのときにも考えているのは、これ幸いと彼女たち一家を家から追い出す算段です。地区開発だかなんだかのために彼女の家が邪魔なんですけど、脅しをかけても無駄だったんで、家を担保に身代金を作らせるんですね。このあたりは、宇佐美と魔王の水面下の対決、浅井さんのはかりごとが同時に動くなかなかにサスペンスフルな展開となっており、なかなかに読み応えがあります。シェイマス・スミスのファンというだけあって、こういった話を書くのがうまいですね。さらりと偉そうにシェイマス・スミスなんて名前を出しましたけど、るーすぼーいをきっかけに読みはじめたんすけどね、ぼくも。るーすーぼーいが影響を受けた作品やら何やらについての対談が読めるのは、以下の対談だけ!。詳しくURLチェック!。 

 新世紀シナリオライター鼎談!試し読み版 第二回

  主人公の義妹が、人気絶頂のスケート選手なんですけど、次の大会でわざと負けろって、じゃないと義妹の母親が死んじゃうぞ、って魔王からお手紙が届くんですね。なんやかんやあって、義妹の演技終了後、爆弾が投げ込まれるかもって、大会の会場に魔王来るかもって、魔王探すんですけど見つからない。実のところ、魔王の本当の標的は、主人公の養父で、車に爆弾仕掛けるんすよね。それ聞いて浅井さん、けっこう動揺。宇佐美に、本当はやさしいんですね的なこと言われるんですね。浅井さん、なんだかんだで根はいい人ですから、けっこうなピカレスクと思わせた偽悪者ですから。前述の誘拐騒動でも、良心の呵責を覚える描写も少しありますし。閑話休題。養父、車乗ってなかった。養父は魔王の企み見抜いてたんすよね。

 宇佐美の友人が転校してきてたんすよね。で、浅井さんがちょいちょいちょっかいをかけていたらしいクラスメイトと義姉妹だったんすね。で、その宇佐美の友人が義妹を人質に立てこもるんすね。で、解決するのに警察の代わりにヤクザのみなさんの協力を得ていたわけで、勝手に部下を使われたことにちょいキレた養父が、乗り出してきたんですね。宇佐美の友人が、魔王の通じていたもんですから、養父が「へ~」って。やばいってなったところでその義妹が、庇おうとするんすね。これまたやばいってところで、浅井さんが養父に飛びつくんすよ。これまで、お金が絡むか養父命じられるかしない限り動かなかった浅井さんが、はじめて自分の意志で、畏怖していた養父に立ち向かい、宇佐美たちを逃がすこの場面は、これまでの浅井さんを知っているからこそ、胸を熱くさせられます。でもやっぱり養父には敵わないんですね。で、養父から、母親が死んだことが告げられるんすね。

 なんやかんや家に帰ってきたんすね。落ち込んでるところで宇佐美がくるんですよ。母親が死んだって聞いて。宇佐美が告白するんですよ。好きでしたって。でも浅井さん、ふざけんな~って。

 魔王の正体って、浅井さんのアニキなんすよね。主人公の父親をだまくらかしたのが、実は宇佐美の父親で、魔王のやってることは、復讐兼父親の救出なんですね。で、宇佐美の方も、魔王に母親を殺されてますから、こっちもこっちで魔王に対して復讐心を抱いてるっていう。で、宇佐美と魔王がとうとう対決するんすね。宇佐美があと一歩で殺されるっていうところで、浅井さんが助けに来るんすよ。

 魔王が長年の計画をとうとう実行に移すんすね。街一体を占拠して、政治家を人質にとって、過激派を装って、父親を開放しろって。父親を含めた数人の釈放を要求するんすね。けっこうな犯罪者どもを。そうやって真の狙いを隠すという、ABC殺人事件の応用を見せてくれます。

 浅井さんは、めでたく結ばれた宇佐美と行動してたんすけど、宇佐美を守るために、暴徒と化した若者をひきつけたはいいものの、捕まっちゃうんですね。

 宇佐美がビルの屋上で魔王と対峙するんすけど、落とされちゃうんですね。でも、ビルのマド清掃するとき乗るアレみたいなやつに運良く乗っかるんすね。

 浅井さんが、おもっくそ暴れて、若者たちを蹴散らすんすね。

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 若者から携帯を奪い、宇佐美を助ける決意をかためるこのシーンは、顔出しとBGMが、最高の相乗効果を生み出し、かなり熱い場面となっています。そこからの流れも最高です。ついでに奪った拳銃を握りながら街を闊歩。周りの暴徒も、あいつやべえ、って近づかないんすよ。養父の部下と会うんすよ。ちなみに養父は魔王にすでに殺されておりまして、部下が浅井さんに養父の面影を重ねて、道を開けるこの場面も、思わず笑っちゃくらいかっこいいです。宇佐美がいるビルに来たはいいものの、エレベーターの前には魔王の雇った傭兵。じゃあ、階段使おう、と。四十七階にだって歩いていける、と。通話の際にそのことを察した宇佐美とともに、グッと来ます。浅井さんが階段を上る描写がつづくのですが、そのあたりの一文一文がいちいちかっこいいです。るーすぼーいもノリノリで書いていたはずです。お気に入りの文を一部抜粋したいところですが、この手の文は、それだけを抜き取るといまいち寒く映るものですので、ぜひともゲームの方で堪能していただきたい。