大仙の若葉

たのしいアフィブログ

「インビジブル・ターゲット」がどれだけ娯楽映画として優れているかという話

 ニコラス・ツェーが日本に来ていたらしい。だからなんやねんという話ではあるが、これも何かの機会だ。何の機会やねんとも思うが、インビジブル・ターゲットの話をしよう。この映画はすごいぞ。娯楽映画の最骨頂と言ってもいい。見たことないやつは、こんなブログを見てないで、さっさとTSUTAYAに行け。近くにTSUTAYAがないというやつは、DVDを買え。アフィリンクを用意してやる。

インビジブル・ターゲット DTS コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]

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 映画の冒頭、怪しい人たちが街なかで爆発を起こすんですね。それに巻き込まれて、ニコラス・ツェーの恋人が死ぬんですね。吹き替えが、エロゲユーザーであれば、ちょっぴりにやりとしてしまいます。

 それから月日が経って、ショーン・ユーがスピード違反の車を止めるんですね。それが犯人グループだったんですね。返り討ちにされちゃうんですね。

 ジェイシー・チャンが上司たちに取り調べを受けちゃうんですね、お前のアニキ犯人一味のひとりだろって。でも、ジェイシーが「いや、潜入捜査ちゃうんけ?」って。どうでもいいですけど、ジェイシーで変換して、まっさきにJCを出すグーグル日本語入力は、日本人を何だと思っているんでしょう。

 

  • 飲食店での乱闘

 飲食店のくだりがまず素晴らしい。斬新でも何でもない、香港映画のお約束。ただのお約束とは一線を画すものがこの映画には、ある。ニコラスとショーンが、ジェイシーを訪ねるんですね。どうでもいいですけど、「ショーン」だけだと、どこぞの川上さんを思い出しますね。閑話休題。アニキについて教えろーって、そこらの飯屋に入るんですね。なんかチンピラたちが揉めてたんで、ジェイシーが注意したら、小馬鹿にされちゃうんですね。乱闘になるんですね。でも、ニコラスとショーンは静観。すげーかっこつけてんの。鳴りを潜めてるけど、もうぜったい加勢するだろ、みたいな。ニヤニヤしながら見ちゃう。でもすぐには加勢しない。引っ張る。こういった映画を見ている人のツボを心得ているんですよ、この映画。だから展開がいちいち臭いんですよ。でも陳腐じゃないんですよ。矛盾しているようですけど、洗練された臭さみたいな。

 ニコラスが加勢するんですね、ストローをくわえたまま。でも、ショーンはまだ静観。ジェイシーがやばいっていうところで、助けるんですね。う~ん、マーベラス。香港映画のお約束、飲食店での乱闘って、いかにユニークに、いかにギミックを駆使して戦うか。アイデアの光らせどころみたいな感じがありますけど、この映画は、そういうをとっぱらって、いかに臭くするかみたいな感じなんですよね。

  • 幼稚園児たちが人質になっているくだり

 中盤、幼稚園児たちがバスごと人質になっていて、なんもできない。このあたりのやり取りがじつに臭い。シリアスなシーンなのに笑っちゃうのだ。勘違いしないでほしい、褒めている。漢臭いものに直面したときの最骨頂のリアクション、それが笑いなのだ。そういった笑いのポイントがこの映画には腐るほどある。

 

  • ラストバトル

 忘れていけないのが、ウー・ジンだ。ぶっちゃけウー・ジンが出てなかったら、この映画の魅力は二割減するといってもいい。本作のウー・ジン、足技がキレッキレだ。そんなウー・ジンと主役の三人が激突するラストバトル。はじめ、ニコラスとのタイマンなのだが、まあ、歯が立たない。ウー・ジンが強すぎるのだ。ショーンが参戦だ。これでも歯が立たんのだ。ジェイシーが参戦。それでも歯が立たんのだ。ジェイシーが、飛びつくのだ。ウー・ジンがめちゃくちゃに蹴りつけるが、離れない。ジェイシーやばい。ふたりも、離れろと言うが、ジェイシーは離れない。挙句の果てには、首が折れてしまう。このときの、ニコラスとショーンの表情が最高だ。ウー・ジンをなんとか倒す。ジェイシーを看取る。これまた臭いやり取り。すばらしい。

 

  • 最後らへん

 最後の最後までにやにやを提供してくれるのがこの映画だ。一本の煙草を、ふたりでかわりばんこに吸う場面なんて最高だ。言葉で表さない信頼関係。短い時間のなかでたしかに芽生えたものが、この場面に集約していると言ってもいい。

 アクションがどれだけはげしくとも、それ一辺倒だとどうにもつまらなくなるもので、ゆえにキャラ立てやら何やらがとても重要なのです。本作は臭いドラマとアクションがこれ以上にないほどの融合を果たした、娯楽映画の最高峰と言ってもいいのではないでしょうか。