過程のないイチャラブはつまんないな。「HarmonEy」体験版 感想

　年上ヒロインとひたすらイチャつくだけという内容が「めっちゃおれ好みじゃん！！」と思い、体験版を遊んでみた。夫婦間のいちゃいちゃとエロに注力した作品！というコンセプトに違わない内容なのは非常によかったと思うが、なぜだか素直に楽しめない。なぜだだろう、とあぶない刑事を見ながら考えた。

　　

　ぶっちゃけてしまえばこのエロゲ、過程を描いていないから、ユーザーが置いてけぼりなのだ。

　フレラバとかを思い出してほしいわけよ。彼女を作るっていう明確な目標を冒頭にさっさと提示してるし、ヒロインと付き合うまでの過程をしっかりと描いて、ユーザーと主人公が足並みを揃えているわけよ。HarmonEyは冒頭から夫婦になってるわけで、過程もへったくれもない。いやまあ、そういうゲームだと言われたらそれまでなんだけどね。

　似たようなエロゲで「こいびとどうしですることぜんぶ」があるけど、こっちは冒頭で主人公の告白っていう、必要最低限な始まりがあるわけだから、なんやかんやのめり込めるのよ。それに、徐々に互いの愛が深まっていく感じとか、加速度的に増していくイチャイチャといった過程があり、挙げ句の果てには、結婚というゴールがある。だから、HarmonEyの方も冒頭で挙式の場面でも入れておいて、私たち幸せになります、みたいな始まりが欲しかったです。そういう冒頭もなく、夫婦になっていくらか時間が経ってる感じだから、その間の過程というのが全くない。完成された夫婦のイチャつきを見せられて、すごい置いてけぼりなんですよ。もっと徐々に夫婦になっていく感じとか、新婚初夜とか、そういうのが見たかったんだよ。

　ただまあ、仲のいい夫婦っていう空気感はすごく出てたと思うのよ。それ故に置いてけぼりになってるわけだけど。一緒に掃除したり買い物行ったり、そういう日常感はすごいよかったと思うのよ。ただそういうのは過程があって活きてくるわけなんだよ。

　あと死ぬほどどうでもいいけど、この作品だけでなくエロゲ全般において、ぼくは飯の描写がいまいち好きになれない。飯を食ってるという状況のもと、話したりイちゃついたりするのは良いんだよ。でも、飯の説明だの「おいしい！」みたいな感想に終始するものは好きになれない。クッキングパパ見てるんじゃねえんだよ。いや、わかるよ。そういうので、仲睦まじい夫婦感を出そうとしてるのはわかるよ。わかるんだけど、ねえ？。飯という舞台装置を利用した、「あ～ん」だの「ほっぺたついてるよ♪」みたいなイチャつきをしてくれないもんかね。

　これまたどうでもいいですけど、個人的に、主人公のスカした感じがなんか嫌でした。せっかくの姉さん女房なんだから、主人公をちょっと駄目な感じにして、ヒロインに甘える感じにすればよかったと思います。完全に自分の好みの押し付けですけど。

　繰り返しになるけど、仲いい夫婦感がすごくよかったと思うんですよ。なので、ぼくみたいに過程云々を気にしない人は、楽しめると思います。

　まあ、体験版なので、この先どうなるかはまだわかんないですけどね。